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City of God
超度肝を抜かれた!!
ブラジルの貧民街の物語。 神の街=スラム 宗教的な文化背景を考えると、スラムとなっている地域を「神の街」と呼ぶ事はすごくわかる。 それにしても皮肉を感じるこの状態。 映画の基軸が常にこの「裏切り」で描かれているように感じました。 1、冒頭から鶏を食うために殺すシーンで「やっぱりグロいんだろうなぁ」って思ったら、異常に明るくて、高揚感が増すようなラテン音楽。銃を持ち鶏を追いかけていく子供たち。まったくもってカルチャーショックを受けてると、そのシーンから回想にとぶ。 2、回想に飛ぶところで、映像がものすごく切り替わる。その切り替わり方が、まるでマトリックス。「あれ?この映画、新しいの?っていうか、ドキュメントに近いはずのハンディ?」手持ち映像だったはずなのに、突然の裏切り。 映像の質感から何から、すべてが計算しつくされている感じ。あまりの洗練されてるっぷりに裏切りをここでも感じる。 3、最初に出てくる3人のギャングはまるで義賊。だから少し切ない。(私事ですが、インドの村の若者、ギャングの子達を思い出した。)ここのシーンはすごく普通に予測できる範囲のいわゆるドキュメントに近いっていうか、何か「あぁ、スラムってこうゆう感じなんだろうなぁ」って感じ。 かと思いきや、次にボスになった若者はかなり猟奇的に描かれて、少しドキュメントっぽさを逸脱。ものすごい嫌悪感に覆われたぁぁと思いきや、そのボスによって街にはかつてない秩序が保たれるようになり、ボスが徐々にさわやかな人に見えるようにもなってくる。でも、あくまでも恐怖の記号として描かれてはいるんだけど。 4、「それにしても怖いなぁ」と思っていると、主人公のカメラマン(語り手)が、童貞に悩んだりしている。 好きな女の子には彼氏がいる。でもその彼氏はふられ、さらに後々コカイン中毒となり、ギャングとなり殺されて終わる。さらに、その女の子と次につきあったギャングの二大ボスのうち一人もやはり殺されてしまう。 「なんていうか、不思議なのよね、人生って」を表現する為の伏線が超強烈。だし、とにかくすべてを喜劇的に描いている。 5、暗いはずがすべて明るく何か清清しい。欲求がすごく素直に見えてきて、今はひきこもりなのに、観た事が書く事にものすごくいい影響を与えた。普段、あんまりないんだけどな。書き始めたらね。 すごいねぇ。 6、しかも、堅気だった人が巻き込まれちゃぁ、ギャングになり、抗争に巻き込まれていく。 絶対に安定などない、人間の未熟さを感じさせられる。一人のボスは死に、対抗するボスは捕まる。 ハーレムの安定はありえない。そしてハーレムは必要。その社会の構造の切なさを感傷に訴える事をまったくせずに、笑わせて、すっきりさせて、それでいて終わった後にずぅっと考え続けさせられる感じ。 まぁ、、、とにかく伏線だらけで、しかも価値転換だらけ。変換されては変換されて。見てる側はとにかく「わぁっ」って思うばかり。とにかくすごい。 さらに、最後に実際の写真、映像がエンディングロールで流れて、「あぁ」って思わされる。 今、頭が分析的に働かないのに書いてしまってごめんなさい。 今は演劇の事や映画の事、書かないようにしたかったのに、あまりにも面白かったので書いてしまいました。 とにかく、超劇的な作品!! また後でこれ、書き直します。 演出 智恵
by tensaihotel
| 2006-05-26 15:56
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